あらすじ
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、第二次世界大戦末期の日本にタイムスリップした現代の女子中学生・加納百合と特攻隊員の青年・佐久間彰の切ない恋の物語です。
物語は、百合が家庭や学校に対する反発から家を飛び出し、防空壕跡で一夜を過ごした後、1945年の日本にタイムスリップすることから始まります。彼女は彰に助けられ、鶴屋食堂で住み込みで働くことになります。彼女は彰との交流を通して、戦争の現実と苦悩を目の当たりにし、彼に惹かれていきます。
百合は彰が特攻隊に参加することを知り、彼に感情を告げますが、彰は出撃を決意します。百合は彼の出撃を止めることができず、彰は特攻機に乗り込んで出撃します。出撃する彰から百合に向けて投げられたのは美しく花開いた百合の花でした。
その後、百合は現代に戻りますが、その体験は彼女の心に深い影響を残します。そしてある日、彰に似た青年が百合の学校に編入してくることで物語は終わります。
この映画は、戦争の現実と苦悩、特攻隊員の心情、そして時代を超えた恋愛を描いており、戦争による苦悩や犠牲が今の平和な生活に繋がっていることを伝えています。また、百合が体験する戦争の現実は、現代の若者が戦争について考えるきっかけを提供するものとなっています
監督:成田洋一
キャスト:福原 遥
キャスト:水上恒司
キャスト:伊藤健太郎
キャスト:嶋﨑斗亜
映画:あの花が咲く丘で、君とまた会えたら。のレビュー・感想
愛した人の夢である教師を目指す彼女は尊い
戦争で特攻隊で命を散らしていった若者たちの数は約3800人と言われていますが、日本が負ける直前に命令を下されたその理不尽さに涙が出ます。それも女性高校生の目線からのシンプルな思いですからなおさら涙を誘います。
この作品は間違いなく戦争に悲惨さを知るための手引きとして、若い人たちに見て欲しいと切に思いました。ヒロインの彼女はこの特攻隊員との愛を通して、人間の命の大切さを学びます。そして亡くなった彼の意思を継いで、教師の道を目指すときの彼女の美しさは、格別のものでした。
時を超えた大きな愛の形
単行本でも話題になっていたので、気になって見ました。
父の死を機にどんなことにも前向きになれない女子高生が戦時中にタイムスリップそして、よりによっていつでも死と隣合わせである特攻隊基地の近くに来てしまうというベタな展開ではありましたが、そこで出会うあきらの優しさに触れお互いが惹かれあっていくが、未来のない彼は好きだと言えない切なさがとても伝わってきました。
そして大切な人の未来を守るために特攻を選んだ気持ちの強さに、当時の特攻隊員の思いと重なるようで感慨深かったです。そして未来にかえり時を超え彼女の元に届く手紙で書かれた真実。
二度と会うことは出来ない分彼の思いを引き継ごうと、彼女の心境の変化もとても良かったと思う。
田中恵美
愛した特攻隊員の悲願に生きる女子高生!
設定としては、現代に生きる女子高校生が、終戦に程近い時期にタイムスリップして、特攻隊員に出会う悲しい物語ですが、唐突な表現でありながら、違和感なく最後まで見ることができました。女子高校生の目線で描かれますが、かといって決して幼稚な感じはしません。
むしろ若さが持つ正義感が、異常な戦争時代をあぶり出しているようです。その異常な時期をクローズアップしたことによって、戦争の悲惨さを知ることができるという意味では、素晴らしい入門編かもしれません。ヒロインが教師になることを決意して、亡くなった特攻隊員の意思を受け継ぐというその健気な気持ちに号泣しました。
過去の思い出と現在の現実、そして未来への希望
過去と現在、そして未来を繋ぐ感動的なストーリーが描かれています。
まず、映像美について触れずにはいられません。映画の舞台となる風景は、美しく描かれており、その一つ一つが物語に深みを加えていました。特に、タイトルにもなっている「花が咲く丘」のシーンは、まるで絵画のような美しさで、観る者の心を引きつけます。
ストーリーは、過去の思い出と現在の現実、そして未来への希望を描いており、観る者を深く考えさせてくれます。主人公たちの成長とともに、観る者もまた、人生とは何か、時間とは何かを問い直すことを余儀なくされます。
また、登場人物たちの心情描写も非常に細やかで、彼らの感情に共感し、時には涙することもありました。特に、主人公とその友人たちの絆は、深く心に響きました。
音楽もまた、この映画の大きな魅力の一つです。シーンごとに流れる音楽が、物語の感情を高め、観る者の心を揺さぶります。
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