あらすじ
映画『緑の光線』は、孤独な女性デロフィーヌの夏の休暇を描いた作品です。
友達との計画がキャンセルされた後、彼女は一人で休暇を過ごし、さまざまな場所を訪れます。この旅の中で、デロフィーヌは自分自身と向き合い、人間関係や恋愛における自分の感情を探求します。
映画は彼女の内面的な成長と、夏の終わりに起こる意外な出来事を描いています。
監督:エリック・ロメール
キャスト:マリー・リヴィエール
キャスト:リサ・エレディア
映画:緑の光線のレビュー・感想
ずぶぬれの心に差し込む希望の光
バカンスの直前に恋人に振られてしまい、傷心の心を抱えたままさまざまな場所へあてどもなく訪れる女性の夏を描いた映画です。
フランスの夏の美しい風景を目の前にしつつも、心に苦しみを抱えて泣いてしまうヒロインの心が、どんなに素敵なものを見ても自ら辛さが引き立つような失恋の苦しみを知っている自分にとって、強く共感ができました。
賑やかな会話も、友人たちの優しさも、彼女にはなかなか響かないのですが、ラストに訪れるちょっとした偶然にようやく彼女の心に光が差します。
女性の身近な心情を扱いながらも、日常に訪れる小さな奇跡を信じさせてくれるような素敵な作品です。
私たち自身の人生にも照らし合わせ
一人の女性が自分自身と向き合い、人生の意味を見つけるまでの旅を描いた作品です。
映画の主人公、ドロテは、自分の感情に正直に生きることを選びます。彼女の孤独感や迷い、そして自己探求の旅は、観る者の心に深く響きます。彼女が経験するさまざまな出来事は、私たち自身の人生にも照らし合わせて考えさせられました。
特に印象的だったのは、映画のタイトルでもある「緑の光線」のシーンです。太陽が沈む瞬間に見えるとされる緑の光を、ドロテが待ち続ける様子は、彼女の希望や夢を象徴しているように感じました。その瞬間が訪れた時、彼女の表情は、これまでの苦悩が報われたかのような安堵感に満ちていました。
また、ロメール監督の繊細な演出も素晴らしかったです。彼のカメラは、ドロテの内面を静かに、しかし深く描き出しています。彼女の心情の変化を、視覚的にも感じることができました。
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