あらすじ
安定した生活を夢見て南米からNYに移り住んだ母と双子の兄弟。不法滞在で“何者でもなかった”彼らが、初めて恋をし、一人の人間として認められ、成長することで、はじめて自分として生きる意味を見出していく。
NYの街並みとともにウィットに富んだ詩的な美しさに満ちた映像美と、ひたむきに生きる母の強さと息子たちのピュアな笑顔が欧米の映画祭を席巻した。理不尽で不条理な世の中にくじけそうになることもあるけれど、大切なものだけは決して失わない。
これは、混沌とした時代だからこそ求められる希望の物語。
監督:マーク・ウィルキンス
キャスト:アドリアーノ・デュラン
キャスト:マルセロ・デュラン
キャスト:マガリ・ソリエル
キャスト:サイモン・ケザー
キャスト:タラ・サラー
映画:ニューヨーク・オールド・アパートメントのレビュー・感想
透明人間扱いされる家族
この映画は、ニューヨークで不法移民として暮らすペルー人家族の悲喜劇を描いた作品で、母ラファエラと2人の息子がそれぞれに恋や夢を追いながらも、街から疎外された自分たちを“透明人間”だと感じる姿を優しく描いています。家族の絆や成長を通して描くことで、より深い感動を呼ぶようになっています。
また、登場人物たちの感情や葛藤は、繊細な演技と美しい映像で表現される。音楽も雰囲気に合っており、ペルーの民族音楽やジャズなどが効果的に使われています。
アパートの中の様々な人間関係
ニューヨークの古いアパートを舞台に繰り広げられる人間ドラマで、そのリアルな描写と深いメッセージ性に心を打たれました。
映画の主人公は、ニューヨークの古いアパートに住む一組のカップル。彼らの日常生活を通じて、都会の喧騒とは裏腹に、アパートの中では様々な人間関係が交錯し、それぞれが抱える問題や喜び、悲しみが描かれます。
特に印象的だったのは、映画の美術設定。古びたアパートの内部は、そのままの形で時間が止まったかのように描かれ、そこに住む人々の生活感がリアルに伝わってきます。また、ニューヨークの街並みと古いアパートの対比が、物語性を一層引き立てていました。
また、映画のテーマである「人間関係」についても、深く考えさせられました。一見、平凡な日常の中にも、人々の心の葛藤や成長が描かれ、観る者に多くの感情を呼び起こします。
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